Original 融解点 生身の人間の温かさなんて、 俺には似合わないから。 1. 冷 先生が死んで今日でちょうど一年が経った。一年前のこの日も今日みたいに寒かった。 風は冷たくて、強く吹いてガサガサと小枝を揺らす。 あの日から俺の中の時計の針は止まったままだ。 周りの者たちの中の時計は時を刻むけれど。俺は何も変わらないんだ。 変化を求めている訳じゃない。 ただ、分からないんだ。 俺はここに居ていいのか。 生きていていいのか。 「貴方は…………貴方の道を歩いて下さい…………。」 先生の最後の言葉が胸に響く。 「俺の…………道、か……。」 小さく呟いた。 誰もいない屋上で。 初upです。 まだなにがなにがなんだか状態ですね。 [戻る] |