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「私の危険な傍観日記:IF」


※傍観日記「そんざい 009」にての承太郎前世記憶回復。
















雨が降ってきそうな空だった。
どんよりと曇った厚い黒い雲が空を覆って、なぜだか胸が痛かった。
こういう日は早めに帰って寝るに限る、と思いダチである花京院に別れを告げ早足で帰宅した。














「何、してやがる…?」










玄関に知らない靴があった。
本来なら、気にせずに自分の部屋に直行しただろうがなぜだか、気になった。
だから、覗いた。
そして、そこには細い手首から大量の血を流したあの女がいた。
咄嗟に出た手で、傷を付けていた手を押さえつけたら驚いたようにバッと顔を上げて大き目のアンバーの瞳に俺の存在を映した。
瞬間、感じたのは…歓喜。
そんな感情に戸惑い口から出た言葉の後、すぐに背中から聞こえてきたうるせぇ声に思わず舌打ちをする。













「(…お前は、何なんだ…)」











今は離れた細い腕は、俺が掴んでいた時よりも酷く哀れなほどにガタガタと震えている。
まるで、この世の全てが敵のように。
俺を映したアンバーは俺が望んだ色が移りだされてはいなかった事に少しだけ、…ショックを受けた。














「(…ショック?なぜだ、俺はこいつとは無関係の筈…)」



「Σ って、待っ…!」



「 !! 」














仗助の慌てる声に、埋めていた意識を一気に現実に戻した。
途端に視界に映ったのは紫黒の髪を揺らして去っていく姿に、"ナニか"と重なってぶれた。












『―――――』



「 ッ!? 」














ぐらり、と。
格好悪くも体に力の入らなくなった俺は、その場に膝をついた。
俺の様子に気が付いた仗助とジョセフが何か言ってくるが、今の俺には何も聞こえない。
荒くなる息と、苦しい程に締め付けられる心臓…それと、内側からかき混ぜられるかのように痛み出す頭に俺は悲鳴を上げた。


















「(…テメーは、誰、だッ…!?)」











思い出せ、と。
耳元で聲がした。
思い出す?俺が一体何を忘れているってぇんだ。
だが、聲はどんどんでかくなってぐちゃぐちゃと俺の頭の中を引っ掻き回す。
体中を支配する痛みに、俺は頭を抱えて蹲る。






















" 思 い 出 せ !! "












―――そして、一際大きな聲が頭ン中に響いた瞬間、俺の視界は黒に染まった。
















『…承太郎…』











知らねぇ女の声が俺の名前を呼ぶ。


















『…承太郎?どうしたの、どこか痛いの…?』













心配そうな声音に縋り付きたくなった。
どうして、そんな声で俺を呼ぶ。
どうして、泣きそうな声で俺に話しかける。
お前は誰なんだ。
どうして、どうして…俺は、こんなにもお前を想うと胸が苦しいんだ。
辛いんだ。
…泣きたくなっちまうんだよッ…!!

















『…また、一人で泣いてるの?』











仕方ないなぁ、と苦笑まぎれに吐き出された言葉に俺は腕を伸ばす。
だが、腕は空を切るだけで、声の主には触れられない。
それに、この暗闇じゃあ姿さえも見えない。











『…そうやって強がって、泣けないでいると苦しいだけだよ?大丈夫、私しかいないから…もう、頑張らなくていいんだよ…』














ふわり、と。
何も見えない視界で、俺の頭に何かが触れた。
それは、ゆっくりと俺の頭を撫でつけてふわふわと俺の頬を撫でる。
ゆったりと、暗闇が晴れていく。
目を見開いた。
ずっと、何か物足りなかった。
兄弟がいて、幸せで、不自由なく暮らしてきたが、いつもどこかで違う"何か"を探していた。















「…ぁ、―――"名前"」



『……本当、泣き虫だなぁ。承太郎は、』



「――名前ッ!!!!」















パチン、と。
遠いどこかでシャボン玉が割れた。
瞬間、ドッと濁流のように俺の中に足りなかった"記憶(モノ)"が溢れた。











『…ば、い…ばい…』
















最期に映ったのは身体を紅く染めた女…――幼馴染。
手を伸ばしても届かずに、声を張り上げても振り向いてはくれない。
なんて、地獄だ。















『…承太郎、お願い…私を忘れないで』













泣きだしそうな顔で笑った幼い頃のアイツは、同じくガキだった俺にそういった。
俺は特に気にせずに、頷いた。
………なのに、俺は忘れたいた。
忘れないと、約束したはずだったのに、だ。


















「名前…!!!!」













立ち上がって走り出す。
外で誰かが声を上げた。
だが、俺は何も聞こえない。
向かうのは、たった一人の幼馴染。
探す途中から雨が降り始めた。
だが、俺は気にせずに走り続ける。
今度こそ、アイツを独りにさせない為に。
















「(…今度は、絶対忘れねぇ。だから、また俺に微笑んでくれ…!)」

















(白金の記憶、それは何を示す…?)











――――――――――――


ブラック様、如何でしょうか?
お気に召していただけたら光栄です!

このあと承太郎がちゃんと主人公ときちんと出会えたかは、ブラック様の想像通りでお願いします、ね。
もう一つの「もしも009」は私が知識不足で難しいと判断したので、無念ですが諦めさせていただきます。
…折角、リクエストして下さったのに、真に申し訳ありません!

これで、見放さずにまたご来場いただけたら有難いです。
では、またお会いできるのをお待ちしております!
















↓おまけ↓



「もしも 009」※会話文のみ










「へェ〜ん?ロボットォ?おもしれェなぁ〜!」



『ロボットじゃないです。サイボーグです』



「サイボーグとか、超格好いいじゃあないスか!!」



「ガキだな」



「そういうDIOも気になってるんじゃあないか」



「Σな、なななにを言う!?ジョジョォ、貴様ぁよくわからん事を言うんじゃあない!!」



「…親が低レベルとか頭が痛いぜ。なァ?ナマエ?」



『私はサイボーグです。それと、…近いので離れてください』



「ンン?照れているのかい?あれ、でも機械でも照れるのか…?」



『(どうでもいいから早くどけといっているんだけど、)…はぁ、』










グダグダ!!
ダメですね!!期待に沿えていないと思っていますので、本当すみません!
ここまでお付き合い本当にありがとうございました!
では、本当にさようなら!











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