ご指名は?1.5 35 バチバチバチッッッッッッ!! 「えええ!!?」 突然、菜太郎の体が感電した。菜太郎の周りに、バ チバチと白い電気が広がっている。 「ちょ、ちょちょ大丈夫!?」 とどうしたらいいか分からず菜太郎をガクガク揺さぶってしまう。 「大ジョブ!!!」 振り返るとくくさんが親指を突き上げていた。 「いや大丈夫じゃないでしょこーーー」 ハッとした。 電気は、菜太郎の手から出ている事に気付いた。 「え..」 その瞬間、シュッ...と電気は収まった。 菜太郎の手の中に。 それを見た時、ドサッ..と私は腰を抜かした。 な、なんな..っこれ..!??? 「誤魔化せないな、もう......」 ふいに、くくさんは菜太郎の隣にぬいぐるみを置いた。 ちょっと待てちょっと待てちょっと待って!!! 「どういう..こと..??!?」 私は声をなんとか絞り出した。まだ衝撃は体の中に残っている。 「......僕は、」 日常は、 「少し.....」 どこで、例えどんな状況であっても、 「魔法が使える.......」 いつ激変するか分からない。 「..は?」 一瞬、正直こいつが頭おかしくなったのかと思った。 だけどくくさんの方を向くと、いつになく静かだし、ドッキリカメラ1つも無いし、.. というか菜太郎のバレちまったか俺の力感ハンパないし、というかこいつさっき手から電気放流したし。 1つだけ分かること、この雰囲気は、マジーーーー 「え、ええええええええええええええええええええ と、私ははいはいして菜太郎にめっちゃ近付き、菜太郎の手をバッと取ってまじまじと見つめた。そしたら手を乱暴に離された。当然。 「はいはいーッッッ!!!」 ケラケラと笑うくくさん。私の腰らへんに抱きついてたけど気付かなかった。 「ちょっと黙ってえ!ええ!?だ、だってそういうの今まで感じさせなかったジャンねえ!?!」 自分でも驚く程に驚いていた。いや、目の前でいきなりマホーとやらを見せつけられたら誰でもこうなるって!超能力とかだったらまだ分かるかもしんないけど、いやそれでもめっちゃ驚きますけどォ魔法って!どこぞの魔法少女ナタリンさんですかおめぇさんは!変身時間中に待ってくれているという親切な方が敵のあの魔法少女!? とにかく現実離れし過ぎている頭痛い! 「バレないようにやってきたんだよ。」 ふー..と胸に手を当ててとりあえず心を落ち着かせる。 「え!?じゃなんで、いや仮にあんたが使えたとして、いいつできるようになったの!?」 すぐに落ち着けるわけ無かった..。なんか変な質問してしまった。 「生まれ持ったモノ」 仮にも魔法初めて見たパンピーと会話してると思えん冷たい態度。 ていうか、魔法ってリアルで使う言葉じゃないと思ってた..。 「じゃ本当かどうか他の見せて!!」 疑う、驚くと共にちょっとワクワクしていた! 魔法使えると知っているハズのくくさんもフゴフゴー!と私の服に埋まってたけど何も聞こえなかった。 これはきっと夢! 「あんた.....」 はぁ、と嫌そうにため息つく時みたいに言葉を発する。くくさんも期待してるのであればやるか、と思ったのだろうか口を開く。 「雨」 ザアアアアア。急に雨が降ってきた。さっきまで晴れていたのに。 うーん..。 「うーんしかし天気雨かもしれないしな..室内はどう?」 と自分の部屋が惨状になる事を忘れて私は提案した。くくさんは私のにおいを嗅ぎ始めたが、私は気付かなかった。 「...無理。自然系は外以外できない」 あんたは淡々とそう言うけど、フツー雨降らす事も出来ないだかんね!? 「室ぬぁいでできるのもーひとつッッッ!!!」 とくくさんも乗ってきた。その前に天気戻してから、晴れろ、と菜太郎がそういうと窓の外はくもりになった。 「..魔法出来るって思い込んでるだけじゃ..」 これまでの言動見なかった事にしてあげるね、という顔を菜太郎に示す。さっきの電気のやつも、よく考えたらなんかのマジックで出来るかもしれない。 「雨を降らせるのは簡単だけど完全に晴れるようにするのは僕にとって難しい。言っただろ、魔法が使えるのは少しだけって。」 と、菜太郎が調子を変えずツンと言った。 魔法が使えるって、まだその言葉フワフワしてて信じられない。いや、夢か。 「ほーかーのッッッ!!!」 と、くくさんは私の足を強引に膝枕にしてたけど、気付かなかった。 「あっ、ちょっと待って!」 私は近くにあったベッドに、何か透明な糸が無いか確認する。私のベッドに入ってくつろぎ始めた人がいるけど、気付かなかった。「放置プレイぅイイイ 「じゃあさあ、これ浮かしたり動かしたりする事出来る??」 「ボクも浮かしてェェエエエッッッ!!!はあハア と、どこからかくくさんの声がした。くくさんの頼みとあれば、やっぱり菜太郎は断らないだろう。 「分かった」 [*前へ][次へ#] [戻る] |