ご指名は?1.5 14 プルルルッと誰かの携帯が鳴った。しかし誰もケータイを持とうとしない。 「オイ、誰かの携帯鳴ってるぞ」 葉太郎くんがそう言うと、スウさんは箸を置いた。 あっ、スウさんのかー。スウさんはポケットに入ったケータイを取り出し、立ち上がりながらもしもし、と言った。そして部屋のドアに向かって歩いた。 「...いや...今日もこっちに泊まる...。....怒らないで....あの女の子と一緒の部屋で寝たりしてないから....」 !? そのままスウさんはドアをガチャンと閉めた。 まだ何か話しているようだ。 えっ、スウさん.. 「いつも喋るの遅い割に、自分の彼女と話す時は流暢になるんだね。」 「えっ!?」 声のした後を振り返った。いつのまにか私のバックを取っていた菜太郎がふぅん、と言うように目を細めた。 「あれスウの彼女なのか。」 葉太郎くんもふぅん。という感じ。えっ。 「えっ、でも電話相手が彼女ってまだ決まってないですよ..」 まあ、スウさん程の神美男子放っておく女子はいないと思うけど、と言おうとしたら、 「でも会話の内容的にそうっぽいね!」 エエッ!?!? 何故か隼人さんがとても嬉しそうにニコニコ笑っている。 (あの電話確実に彼女さんっぽいし、彼女さんいるなら、鈴ちゃんのことは狙うわけないよな..。良かった!) 「えっ、くくさんはどう思いますか、、ってもういない!」 「くくはくくのお気に入りの女達のところにさっき行った。」 「エッ、そうなの!?」 菜太郎の方をズィッと見た。菜太郎は私からイヤそうに視線を外し、ヌイグルミをサッと隠した。 いや取らないし、、と思ったら、 「あんたどうしてそんな事気にかけるの?」 えっ。あ.. 菜太郎が何か勘付いたようだ。 「いや、、なんでだろ、、」 なんだろ、ちょっと心が悪い感じにザワザワしてる感じ。 「..鈴ちゃんはスウに彼女がいるかどうか気になるの?」 隼人さんは私の方に歩み寄ってきた。 [次へ#] [戻る] |