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ご指名は?1.5 42

「え!?」

菜太郎を見たけど、腕を組んだまま無反応だったのでくくさんに話しかけた。

「おばあちゃんがですか!?」

くくさんがわー!と抱きつこうとしてきたのを華夜さんが笑顔で羽交い締め、す、素早い...!!

「あ、ありがとうございます..!」

「いえす」

そうなんだよ..というようにこくっと頷いた。思わず頭を抱えてしまった。

「鈴ちゃん...」

隼人さんが力無く私の名前を呼んだ。

ええええ!?おばあちゃん私がお化け屋敷とか雷とかそういう系全部合わせて怖いの知っててそういう...?というかお達しって!権力者かあぬたは!

さっきの感謝の言葉、前言撤回す。

「それってどうしても、いや、おばあちゃんに頼み込んだとしても無理ですやん...肝試し、大丈夫です!」

と、私は立ち上がった。こぶしを突き上げる!

「...ごめんね鈴ちゃん.......」

と、隼人さんは眉毛を八の字にして小さく微笑んだ。そ、そんな顔されたら尚更行くしかない!!

..て、あれ?

場の空気がちょっとおかしい。

くくさんとかきぃまりだねッッッ!!!とか言って興奮しだすと思ったのに、華夜さんの腕の中でハアハア興奮してるだけ。

菜太郎も、肝試し?馬鹿馬鹿しい。とか言って部屋に戻りそうな気もするんだけど、今のところ何も否定していない。

と、というか、肝試しやるだけでどうしてーー..、あ、いや、私が肝試し嫌とか言うから、雰囲気悪くなっちゃったんだ!

「むぅぅー、肝試しやった事にはでけない???」

突然、くくさんが唇を尖らせて提案してきた。

え、たしかに嬉しいけど、いいの!?

と、うあ!とくくさんが何かを欲してそうな動きをしたので、華夜さんは放した。放たれたくくさんは、床に置いていたリュックを、焦ってゴソゴソ。

「Oぅぅ〜〜ッッッ」

額をベチンッと手で叩くという欧米的なリアクション。そんなくくさんの片手にはカメラ。しっかりしたヤツ。

「かわいい孫が肝試しで泣き叫ぶ姿思い出に残してどうするの..!!」

と、私は膝から崩れ落ちた。

「山田ッッ!!」

嗚呼..遠くで葉太郎くんが叫ぶ声がする。と、私は意識が遠のいていたーーその時、

「ところがドッコイッッッ!!!」

くくさんは、フンス!と鼻息を荒くし、ピン!と腕を伸ばし、なんか書いてある紙をドン!と皆の前に提示した。

「え..、なんだ?」

反応に困っていたみんなを代表して、葉太郎くんが最初にその紙をくくさんの手から取る。葉太郎くんに近づく隼人さんに私もついていき、横から覗いた。



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