ご指名は?1.5 40
「改めまして、華夜です♪よろしくね」
華夜さんはニコッと笑って手を振った。
「...スウ.....で..す....................」
華夜さんの隣に座ったスウさんは無表情で頭を下げた。
スウさんが起きてきたついでに、皆(うち一人は負傷して菜太郎がベッドに連れて行った)椅子に座って集まっていた。
というか、
スウさんだけじゃないけど、こんなお胸が大き..スタイル抜群な美人さんの前でどうして平然と..?やっぱり慣れてるのかもなぁ。
「というか女の子もいてくれて良かったわー!仲良くしたい!」
と、向かい合わせの華夜さんが私の方へ腕を伸ばした。!
「え、ええ!?そんなぁ!私の方が仲良くしたいですよ」
と、若干血迷って華夜さんの手をガシッ!そして、潤ったお肌にハッとした。
「あっ!すすみませ..」
やばい!完全に変な子だと思われた!と、慌てて手を引っ込めようとした。だけど、華夜さんは手を離さなかった。
「えっ..」
華夜さんが控えめに口元を緩ませた。隣の隼人さんは、私のことを自分の子どものように見ていた。
「あたし、あんまり女の子の友達がいなくてねー、近づいてきたとしてもなんか....カーストのトップに入れると思って来る子が多いの」
普通にこれを聞いたら、イヤミというか、自慢に聞こえる人は少なくないだろうけど、それを感じさせないくらい、その声は乾いていた。
シビア、だな..
きれいな人には、きれいな人しか分からない辛さがあるんだろうな..。華夜さんの瞳が、それを物語っていた。
「初めてなの!あなたみたいに、ストレートに、仲良くしたいって言ってくれる子」
ぎゅーっと、華夜さんに頭を抱きしめられた。
私が、仲良くしたいと思ったのは、美人だったから、という気持ちが1ミリも入ってない!と言い切れないのに..。
「はい..」
だけど、とても嬉しい。
葉太郎くんも、にしし、と笑っている。
「あの、ところで部屋はどこがいいですか?」
少ししてから、隼人さんが手を上げた。
「うーん...鈴ちゃんのお部屋とか...いいかな?」
華夜さんが私の目を見てきた。
「!勿論ですよ!1人だとちょっと..夜とか怖いですし」
今まで男の人ばっかだったからちょっとした距離があったけど、女の人が側にいると色々心強い。
「鈴ちゃんが良ければ、それで良いけど..たしかに、くくとか来たら華夜さんに守ってもらえますしね!」
パアッと隼人さんが手を叩いた。ちょっとゾッとする..
「くくくんとやらは鈴ちゃんが好きなのね!任せなさーい」
と、華夜さんはあっけらかんと笑った。..んんええ?
「いや、あの、華夜さんみたいなすごくきれいな女の人の方がくくさんに狙われて危ないんじゃ..」
と、私は立ち上がった華夜さんを見上げる。
「あ......」
隼人さんがそう口からもらした。
(そっか、鈴ちゃんだけしか見えてなかったけど、たしかにこの人は美人だから、たしかにひょっとしたら危ないかも.....)
隼人さんがちょっと口を開いて固まってる。えっ、どうしたんだろ?
(まぁ、鈴ちゃんじゃなくて標的がこの人に移るんならいいかっ!)
※隼人は好きな人の事となったら途端にドライ。
「あんなに強いし...」
「えっ?」
何か呟いたと思ったら、隼人さんがハッと我に返ったようでブンブン両手を振り始めた。
「何でもないよっ!」
と、ここで、葉太郎くんが机をバンッと叩いて立ち上がる。
「いや、山田女の人として魅力的だから2人とも危ないんじゃっ..!!」
えっ!??!
葉太郎くんは、すぐ自分の口に手を当てて、静かに座った。顔が、みるみるうちに赤くなっていく。
えっ、葉太郎くん..!??
「あらあら」
華夜さんがにやにや。
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