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TOX
同一的無自覚奮闘記/イバジュ

「イバルって本当ミラのこと好きだよね」



ミラとイバルが話している(と言うかイバルが一方的にミラに話しかけている)姿をジュードとアルヴィンは眺めていた。
そして、ふと口を開くジュード。




「好き、ねぇ。おっと…ちらちら見られてるぜ?優等生」

「え、そう…?やっぱり目の敵にされてるからかな…」

「…………」



ジュードは苦笑いとも言える笑みを浮かべる。アルヴィンはどこか腑に落ちない表情をしたが溜め息をついた後、すぐさま笑みを浮かべジュードの頭をぽんっ軽く叩いた。

すると、そんな2人の元にイバルが猛ダッシュで駆け寄ってきた。



「やっ、やいやいやいやい!偽者…っ」

「な、何?どうしたの?イバル」

「…!!へ、あっ…いや、」

「おーどうしたどうした〜?巫女サマ」

「おっ、お前には用はない!!」



イバルは慌てふためいた様子を見せる。
鼻先まで指を突き付けられたアルヴィンは笑いながら肩をすくめ、ひらひらとジュードに手を振りその場を去った。
ジュードはその背中を見送ると小さく溜め息をつき、イバルへと視線を戻す。

イバルは目を泳がせていた。



「えっと…何?」

「さ、さっきから…こっちを見ていただろっ!?」

「え…?まぁ……でも、アルヴィンが言ってたけど…イバルもこっち見てたって」

「ばっ…!!お、俺様がお前を見るわけないだろ!」



イバルは顔を真っ赤にしながら大声をあげ、すぐに顔を見られまいとそっぽを向く。
ジュードはまた苦笑を浮かべた。





「そう…だよね。イバルはミラしか見てないもんね」

「………ミラ様だけを見てるわけじゃ…」

「え?」

「や、ちがっ…ば、バカ野郎!!」



自分の髪を掻き乱しながら頭を左右に振ると、顔を真っ赤にさせながらその場から立ち去る。

回りを見ずに走ったのか、途中ミラにぶつかっていた。これでもかというぐらい頭を下げて謝っていたが、すぐにまた足は動いていた。

首を傾げたジュードはそんなイバルを不思議そうな表情を浮かべながら見送る。
さらに、そんなジュードをアルヴィンは呆れた表情で眺めていた。


一的無自覚奮闘記
(焦れったいけど言ってやんない)
(お前等、自分で自覚しろ)





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あきゅろす。
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