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TOX
空中散歩/イバジュ

「俺様についてこい!偽者っ」




いつもの調子で現れて半ば無理矢理つれてこられたのはニ・アケリアの外れ。辺りは建物もなく開けていて、人もいなかった。


(…イバルのことだし勝負だ、とか言い出したりして)

ジュードはイバルの後ろ姿を眺めながら思った。




「ジュード!これからお前に、俺様がどれだけ凄いか教えてやる!」

「え、?」



勢い良く振り返ったと同時に突きつけられた人差し指。ジュードは1歩後ろに身を引いた。
次にイバルはその指を空へと向ける。つられてジュードも空を見上げた。


そこには1体のワイバーンが構えていた。




「今からアイツに乗って世界を見せてやる!」



どうやら勝負など考えていなかったようだ。
ほっとしたジュードはワイバーンを見上げた後、イバルへと視線を戻し微笑みを浮かべた。




「ありがとう。イバル」

「な…っ!?かかか、勘違いするな!?っ、ただ…ワイバーンを扱う俺の凄さをお前に見せしめる為に…だなっ」

「う、うん…?勘違いって何を…?」

「あ〜っ!!うるさいうるさい…!いいから来やがれっ!」




そう言ったイバルはジュードの腕を掴んだ。そして地上に降りてきたワイバーンの元へと引っ張る。
ジュードは黙って引っ張られた。




「振り落とされずにしっかり見とけよっ!」





─さぁ行こう。

君と僕との

(ちょっと操縦荒いって…!)
(だったらちゃんと捕まっとけ!)





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