紫陽花
2
ぼうっとしていたらなんだか眠くなってきたな。
…ちょっと眠ろう。
ゆるゆるとベットに寝転んで目を閉じる。
とたんに、雨音が一層強くなった気がした。
ーーさあさあ
ーざあざあ
雨がやわらかく眠りへと誘う。
そんな中、ふと頭に浮かんだのは開けっ放しの窓。
ぁ、…閉めないとだめかな…。
起き上がりたくないー…
葛藤しつつも沈んでゆく意識。
ーーカラ、カララー
…んー?
なに?
何の音…?
ずいぶん近くで聞こえたような気がする。
音によって、まどろみかけていた意識がふわふわと戻ってきた。
でも、
…起きたくない…。
目を閉じたまま、へにゃりと寝返りをうった。
だけどやっぱり音が気になったから、うっすらと瞼をあげてみる。
ゆっくりと目を開けると部屋は真っ暗だった。
あ、電気は消したんだなぁー、なんて取り留めもないことをぼんやりと思う。
んー、……ねたい。
御飯も、お風呂もまだだけれど。
勝手に瞼が落ちてくる。
この心地よいまどろみを手放したくないよ。
そのまま再び目を閉じようとしたとき、聞こえるはずのない声が聞こえた気がした。
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