灼熱ノ絶対零度 8 「そんな事分かるわけねぇだろ。」 吐き捨てるような冷たい口調。 せやけど、優しくて、迷っとる言葉や。 カッちゃんなりに言葉を選んでんのやろな。 「んな事分かったってしょうがねぇだろ。」 そうなん?ほんまに? 「・・・少なくとも、俺はオマエが居なければ良かったと思ったことは一度もねぇ。」 「・・・そか。」 今は、きっぱり言ってくれたその言葉と、隣にいてくれるこの体温だけで十分や。 眠れる気がする。 ほんま、おおきに。 「あ、カッちゃん泊まってくやろ?」 「は!?」 「今さら帰んの?ええやん。ソファ貸したるで。」 「馬鹿。普通、客にはベットだろうが。」 「俺はカッちゃんよりか弱いからな。」 「はっ。馬鹿でチ「なんやて、コラァ!?」っ、うっせぇぞ喚くな。」 寂しい夜は、寄り添って眠ろう。 幸せな夢が見れればいい。 恐い事も寂しい闇も、忘れてしまえればいい。 どうか、明日が希望に満ちた温かいものになりますように。 「ほな、また明日、カッちゃん」 「あぁ。・・・おやすみミキ」 [*前へ][次へ#] |