灼熱ノ絶対零度 2 「ああいう女、特に無理。」 あずりんの背を見て、カッちゃんは微かに眉をしかめた。 「そないな事で俺を捨てるんや。」 わざとらしく顔を覆う。 “嘆きの未来”と呼んでくれ。 「はッ。」 嘆きの未来、撃沈。 相手にしてもらえんかった。 俺のどこが間違っとったんかな。 「ショウタもあういう奴、嫌いだろ。」 話を逸らして、さらりとカッちゃんが酷い発言。 「さあ。知らん。ま、ショウちゃんは表面上、誰かサンと違うて優しいからな。」 誰かサンに向けて、舌を出す。 カッちゃんは、「馬鹿か」と小さく呟いてうつ伏せになった。 「・・・あいつも好きな奴、いるし。」 「は?」 かなり小さい声やったけど、しっかり聞こえたで。 「・・・初耳・・・。なんで俺には言ってくれんの。」 「自分に聞け。」 意味不明な発言をすると、カッちゃんは首を振った。 会話終了の合図やな。 や、俺が俺に聞いても分からんばっかなんやけど。 俺の戸惑いと疑問は、誰も聞いてくれませんでした。 可哀想な俺。 [*前へ][次へ#] |