A
「………」
晩御飯、作ったはいいけど 先生が起きない。
すやすや…気持ち良さそうに寝てるから起こすのも悪いし…
とりあえず、先生の料理にラップをかけて。
もう俺だけで食べちゃうからね?
*そして食器も洗い終わり…*
起きない。
多分今日は朝までこのままだろう。
はぁ……
最近ろくに先生と話してない気がする。
今日だってエプロンの事ぐらいしか話してないよ。多分。
それに最近…キスも…情事も………してない。
「俺、キスの仕方…わすれちゃうよ…?」
寝顔にそっと語りかける。
「…でも…仕事が忙しいんだから…しょうがないよね…我慢する」
我が儘はいけない。
ここに一緒に住まわせてもらってる身だし。
そのまま俺ももう一つのソファーに横になる。
先生、重くてとてもお姫様だっこなんてできないし、自分だけベッドに寝るのも嫌だから
こうして一緒にリビングで夜を明かす。
******
夜中の3時ぐらい。
身体が重くて、うっすら眼を開けると 先生が俺の上で寝ていて。
俺を抱き締めるように…
「…せんせ…寝相悪いね…」
とか悪態をつきながらも本当はわかってる。
俺も先生を抱き締めてまた眠りに落ちた。
******
朝。
携帯の目覚ましがなって眼を覚ます。
「…………」
見ると、もう先生はいなくて。
テーブルに置き手紙。
──────────
紅へ
ご飯おいしかったよ。と、言っても晩御飯だったものですが。
最近ごめんね。
ちゃんと紅に構ってあげられなくて。
仕事が落ち着いたら
思いっきり抱いてあげるから☆(^^)
家事、炊事、いつもありがとう。
先生
──────────
「………」
疲れてるのに、俺の事まで気遣ってくれて
こっちこそありがとう…。
先生の字…
どくん、どくん って字を見るだけで鼓動が高鳴る。
本当に俺は先生が好きなんだな─…
だから俺も先生の心を癒してあげたい。
なにか俺にでもできること…。
「秋に聞いたらわかるかな?」
秋は先生と何だかんだで仲いいし、(めっちゃ悪そうに見えるけど)俺より先生の事をしっている。
学校に行って聞いてみよっと。
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