《D》
『ところで、紅』
「ん、何?」
リビングで、先生はソファー、
俺と子供はローテーブルを挟んでカーペットの上に座ってる。(ガキは正座してる)
これじゃあまるで俺がコイツの保護者みたいじゃねぇか。
『この子の名前とか聞いた?』
「あ……そ…いやぁ。聞いてねぇ。
おい、お前名前なんつぅの?」
「……………」
………………返事がこない。
つか、顔をこっちにすら向けようとしねぇのはどうゆう事だ!!
ったくっ!!躾がなってねぇなぁ…
これだからガキは…。
『紅…そんな強く聞いたら駄目だよ…。
ね、僕。オレはね、"弥沙"ってゆうの。
ちゃんとした男だよ♪
職業は学校で理科の先生してるんだ☆』
「理科…の…せんせ…?」
子供が…。初めて喋った。
いつのまにか、俯いていた顔をあげて、先生の話に興味をもっている。
『そう。理科の先生。
で、こっちが、オレの生徒でもあり………
恋人なんだ……。名前は、』
「///…っ…紅。」
俺が、そう答えると、子供は、チラッとこっちを見た。
「………」
「…………」
ぷい、
暫く睨み合って(?)たけどガキの方が眼……
どころか顔ごと逸らしやがった。
俺こいつになんかしたか!!!?
むかむか…っと俺がしてると、
「…ゅ……ち」
『ん?もっかい、』
「ゅーいち…。
…おれの名前…。」
『へぇ、ゆーいち君ってゆうのかぁ♪よろしくね、ゆーいちっ』
子供の名前はどうやら"ゆーいち"…とゆうらしい。
悠一←こうか?
俺がどこかあやふやなのは、このガキ。
先生に向かって話してるから。
こっちなんてまるで視界に入っていないかのように無視だ。
それって結構傷つくんだけど…。
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