《B》
「…………。」
あまりの速さに、何も言えなかった。
はっ、
と我に返って、携帯で紅葉に電話をしてみるけど 出やしねぇ。
わざとでねぇなあいつ…
………。
俺の傍にいる子供を覗き込んでみる。
背は俺の腰より少し低い辺り。
髪は黒髪のショートぐらい。
顔は無表情で、その瞳はどこを見ているのかも解らない。
子供のくせに大人しいな……。
とか思ったり。
……とりあえず、ここにずっと居るわけにも行かないので。
「…先生に聞いてみないとな…」
俺はその子を連れてマンションの中に入っていった…。
******
「…ちょっと待ってて」
子供を玄関に待たせ、俺は部屋に上がってリビングに向かう。
『あ、お帰り、紅』
先生はもう起きててコーヒーを飲んでいた。
「あの……先生」
なんて言おう。
紅葉に子供押し付けられちゃった☆
なんて…。
『どうしたの?』
「ぇと…こ…子供が…」
『子供?…まさかデキちゃったとか!?』
「ぃ…色んな意味で…?」
そうです。
色んな意味でデキましたよ。
結構大きいですが…。
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