《A》
ちーん…
一階について、がちゃ…とエレベーターの扉が開く。
ふぁあぁ…寝みぃ……。
欠伸をしながらロビーを進むと、マンションの外に見慣れた人間。
あ、手振ってる。
俺は今眠いんだ。そんな振り返す元気なんてない…。
「おはよ!」
「……うん」
外に出ると眩しい笑顔で挨拶してきた。
「なんだよーっ元気ねぇなぁ☆」
「寝てたんだよこっちは。朝からハイテンションなんかになれるかよ」
で……?用件を言え。
またまた唸るように言えば、
「あんね、
………この子を預かってくれない?」
………は?
紅葉が背中に隠していたんだろう、後ろから小さい子供が現れた。
「この子、親戚の子供なんだけどね、。なんだか母親が用事があって、3日間この子の面倒を見れないんだって。
あ、母親、シングルマザーだからさぁ、どっかに預けるっつってもお金の面がねぇ…。
で、俺んとこに預かって欲しいって連れてこられたんだけど、」
「ちょ……ちょっと待て…!!!!」
「んあ?」
「お前はコイツを俺に預けようとしてんのか!?それは無理だ!!!俺自体先生ん家に居候してるし、
そもそもお前が頼まれたんだろ!!?」
「だって俺には楓がいるし☆」
「意味わかんねぇよ!!!!
それは双子の弟だろ!!
なんでここで楓がでてくるんだよ!!」
「…だってさぁ。この子を構ってると楓が寂しがっちゃうじゃん?」
「知るか!!つかむしろ楓はいつも嫌がってるじゃねぇか!!」
いつも学校で、楓にべったりの紅葉。
酷いときなんかキスしてるからね。(楓は嫌がってる)
「だからさぁ、この子預かってくれない!?3日間したら迎えにくっから!!!」
ほんとに何で!!?なんで俺が預かんなきゃならねぇんだよ!!!
「そんなこと言われても…俺は先生ん家に居候してる身で…」
「大丈夫!!先生はきっと許してくれる!!」
コイツは何を根拠にそんなことを…。
プルルルルルッ
と、紅葉の携帯が鳴って。
「ぅはぁい、……うん…はぁい、今帰る」
はぃ!!?
ぴっと通話を終わらせた紅葉は、
「じゃあ俺帰るね!!バイバイ!!!!」
「はぁぁあ?!!!!おい!!!こら…」
子供を俺の方に押して、
「よろすく☆」
すごい速さで去っていった……。
っておーい!!!!
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