初詣
─2009年──
あけましておめでとう。
年賀状とか、全部書き終わってないけど今年中に届けばいいよね。
数十分前に年が明け、
今、先生と初詣に来てます。そういえば、先生と何処かにお出掛けなんて初めて…なんじゃないかな。
ほら、やっぱ学校の先生をやってると、先生を知っているガキ共(←)が多いから(それにかっこいいから目立つ)そいつらにどこで会ってしまうか何時もヒヤヒヤもんなんだよね。
しかも俺と一緒に居るところなんかみられちゃったりしちゃったらもう大変。
だから今日は先生に眼鏡やらマフラーやら帽子やらを着けさせて変装をさせた。
…うん。似合う!
俺は、そうまでしてまでも先生と初詣に行きたかったんだ。
だって年始めは、好きな人と過ごしたいって思うし、何処か行きたいし。
今日だけ、俺のわがまま聞いて?
「先生っなんか飲む?」
『ん─?温かいもの飲みたいかも』
「じゃあ俺買ってくるっ
先生、そこで待ってて」
俺は先生を神社の中の、人混みより少し外れたベンチに座らせて、自販機に飲み物を買いに行った。
うーん、じゃあ俺は…温かいココアでいいや。
んで…先生は…。
なにを押そうか迷ってる指に誰かの手が重なって。
それと同時に背中に体重と、首筋に体温を感じた。
「せっ…せんせ!!?//」
『ん、一人ぼっちにしないでょ…?寂しいじゃんか』
どき、
先生な何か喋る度に吐息が首筋に触れる。
自動販売機の前で、後ろから抱き締められるようにされて、
『じゃあ、オレこれ』
先生に乗っ取られた手が珈琲のボタンを押す。
下からガコン、と音がして。
『来年も、こうやって一緒に初詣来よーね』
「…うん、」
手にとった缶が俺の手の温度に負けていたのは
きっとココアが温かったんだ。
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