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小説2
大パニック!(続き)
「イタチさん!大丈夫ですか!!;;」


「早く出してくれ!!」




アジト内ではトイレに行っていたイタチが
閉じ込められていたのだった。



「どうしたらいいんだよ!!早く出さないとアイツ泣き出しちゃうだろ!!」


「ドアを壊したらいいんじゃないッスか?男が五人もいたらすぐに……」


「無理だ!このドアは頑丈に造られている!」


「なっ…何でトイレのドアを頑丈に造るんスか!!何考えてんスか!!」


「仕方がないだろ!!文句ならデイダラと飛段に言え!!コイツらがドアを重いっきり閉めるから頑丈にしないとすぐに壊れるんだ!!」




毎朝、起きたらすぐにトイレに駆け込む
二人。

力の加減と言うものを知らないのかいつもドアが外れる程の勢いで閉めていたのだった。




「はぁ…なんて情けないんだ……それでよく先輩面してられるッスね……」


「なんでオイラだけなんだよ……うん…」




デイダラがブツブツとぼやき出した時…




「ひっく……もう…駄目なのだな………」


「あぁー!!イタチさん!泣かないで!!」



とうとう泣き出してしまったイタチ。

鬼鮫が話し掛けるが泣き止む事はなかった




「ぅ……鬼鮫……」


「何ですか!!」


「今までありがとう……短かったが…お前とペアになれて良かった……」


「イタチさん何言ってるんですか!!」




突然、イタチが最期の時のように話し始めた。




「お前は……いつも俺の我が儘を聞いてくれていたな……迷惑をかけてばかりだった……」


「迷惑なんかじゃありません!私もイタチさんと組めて楽しかったんです!!我が儘だなんて思っていません!!」



「ぅ……なんて泣かせるんだ……」



背後ではペイン達が会話を聞きながら涙を流していた。




「可哀相だよ……うん……ひっく……早く出してやろうよ……」


「そうだぜ……リーダー……何とかしろよ……」


「よし!やれるだけやってみるぞ!!皆で頑張るぞ!!オーー!!」


「「「オーー!!!」」」




ペイン達が初めて団結した時……




「鬼鮫……出来るなら…もう一度……お前の隣にいたい…」


「イタチさん……(泣)」


「お前の隣にいると……俺の顔がもっと
引き立つ……」



「え?」



「周囲からは美しいやら美男子やらと言われ……」


「はぃ?」



「お前と比べられては熱い視線で見られる……」


「…………;;」



「いい気分だった………」




イタチの発言により先程までの涙は枯れ、
固まってしまった鬼鮫。




「ん?どうしたんだ鬼鮫?」


「…………」



放心状態になっている鬼鮫に気付いたペイン。

さっきまで四人で掛け声を合わせていたので全く話しを聞いていなかったようだ。




「へへへ♪鬼鮫の旦那、もうイタチが助からないと思って落ち込んでるんだろ♪うん♪」


「では、鬼鮫のためにもイタチを救出するぞ!!」



「「「了解!!!」」」




そして四人がドアを重いっきり押した時…




「びくともしないぜ!!」


「諦めるな!!もう一度いくぞ!!!」



四人が力合わせてもドアは開かなかった。





「あっ!お前ら大丈夫だったか!?」


「え?」


「あっ!!旦那ー♪」




騒ぎを聞き付けサソリが助けに来てくれたようだ。




「旦那!大丈夫だった?怪我はない?」


「ん?怪我?何で?」


「何でって……」


「そう言えば何でこんなにアジトがめちゃくちゃになってんだよ?」



「「…………;;」」





まさか……………






「なあ……お前今まで何してたんだ?」


「お前と昼寝してたんじゃねぇかよ!なにボケてるんだ?」


「はぁ……やっぱり………」




やはり全員の予感は的中していた。




「……て事は……さっき起きたばっかなんだな?」


「ああ……」



「「はぁ…………」」





サソリの返答に全員また深い溜息をついた




「旦那が寝てた間に地震が起きたんだよ…うん……」


「地震!?うわっ!!それヤベぇじゃねぇかよ!!」


「「………;;」」






ヤバイのは地震が起きても寝ていられるアンタだよ!!!





四人共、心の中で同じ事を叫んだ。





「おいっ!!俺を忘れるな!!早く助けてくれ!!」


「なっ!イタチ!!何でそんな所にいるんだ!?」


「そうだった!イタチ今助けるぞ!!」




どうやらイタチの事を完全に忘れていたようだ。




「こーのー!!クソ!開かねぇ!!」


「もうこれドアじゃないッスよ!壁ッスよ!!」



「なぁ……」


「何だ?何かいい案でも浮かんだのか?」




四人の行動を見ていたサソリが動き出した





「このドア……いつも引いてなかったか?」


「「引く?」」




サソリがドアを引くと何事もなかったかのように開いた。




「…………」


「「…………;;」」




しばらく沈黙が続き……




「……はぁ………」


「なんだよ!その溜息!!」


「そりゃ吐きたくもなるぜ……毎朝、便所入ってるくせに何で分からないんだよ……」


「だって地震起きたしさぁ!イタチは泣き出しちゃうし!慌ててたんだよ!!うん!」


「フン…泣いてなどいない!それよりサソリさん……ありがとうございます……」


「気にすんな……」





「まったく!!忍びが地震ごときで慌てるとは情けないぞ!!」


「テメェが一番慌てて騒いでたんじゃねぇかよ!!」



ペインの発言によりまたも乱闘が起こり
始めた。




「貴様ら……人をもう少しで窒息死させるところだったのに何だその態度は!!」



地震が起きた時二人にしがみつかれていたペインには大きな川が見えたという。



「お前らこんな時に喧嘩するなよ…さっさとしねぇと徹夜で片付ける事になるぜ……」


「それは大変だ!!」



サソリのおかげで喧嘩は中断され鬼鮫を
除く五人が片付けにはいった。




「鬼鮫の旦那!!いつまで固まってるつもりなんだよ!!うん!」


「鬼鮫は捨て置け!少しでも片付けとかないとゼツに怒られる!!」


「俺も角都に怒られる;;」





恐怖に怯える二人であったがしばらくして

言い合いになったのだろう……
機嫌を損ねた角都とゼツが帰って来たという。





[終]

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