小説2
かくれんぼ(続き)
「おい……いつまでそこにいるつもりだ?」
「ゼツの気配はないぞ……うん;;」
「分かってるよ!!……よっと!」
二人のおかげで居場所がバレないですんだ
ようだ。
「まったく……いつもお前は何をしているんだ…」
「ゼツの奴怒ったらサソリの旦那並に恐いんだからな!!うん!」
「いやぁ〜マジで助かったぜ♪見つかってたら今頃、植物の餌になってたからな♪」
笑いながら言う飛段に二人は深い溜息を
ついた。
すると……
ザーー!!ザーー!!
「あっ……雨だ!」
突然、台風並の雨が降り、風も吹いてきた
「いきなりだな……」
「なんか不気味だぜ……」
いつの間にか空も薄暗くなり、今にも何かが出て来そうな感じがしている。
「うぅ……怖いぞ……うん…」
「デイダラちゃん!おっ‥男のくせになにビビってんだよ!!もしかして幽霊とかが怖いのか?情けねぇな!ゲハハハハ!!」
「お前もビビっているだろ……」
「ビビってねぇよ!!」
イタチの鋭いツッコミに反応して声をあげる飛段。
その時……
ガシッ!!
「っ!!」
飛段の足に誰かがしがみついた。
そしてゆっくりと足元を見ていくと……
「見ぃーーつーけた……」
「「「ギャアアァーー!!!!」」」
しがみついていたのは飛段を捜していた
ゼツだったのだが、アジト内にはいないと思い外を捜索していたのか、びしょ濡れに
なり所々汚れてボロボロになっていた。
ドサッ!!!
「あっ……」
「…………」
三人はゼツの姿を見て幽霊と思ったのか
同時にその場に倒れてしまった。
「人の顔を見てびっくりするなんて酷いよね……」
「失礼ナ奴ラダ……」
ゼツはショックだったのか落ち込みながら自室に戻っていった。
しばらくして買い出しに行っていたサソリ達が倒れている飛段達を発見した。
「ん?コイツら寝てんのかよ!」
「三人揃って……なんて奴らだ……」
「まあまあ;;」
買い出しに行っていたと言うのに部屋で
寝ている三人に苛立ちを覚えたサソリと
角都。
「相変わらず甘……っ!!」
「どうしたんだ?」
角都の表情が突然険しくなった。
「これ………」
「「え?」」
二人は指が指されている方へ目をやった。
「ギャーー!!なんじゃこりゃ!!?」
そこには泥と水で汚くなっている床。
既に変色してしまっていた。
「これはひどいですねぇ……;;」
三人の足元にも被害は及んでいた。
「………」
「………」
「あ……あの……お二人共…大丈夫ですか?;;」
沈黙しているサソリと角都。
「えっと!ここは怒らないで!取りあえず落ち着きましょうよ!!;;(お願いですから暴れないで!!)」
こんな短気で怒り出したら半日は暴走するこの二人が同時にキレたら……;;
それこそアジトの全崩壊!!
いや!!暁の滅亡ですよ!!!
なんとか二人がキレないように宥める鬼鮫であったが………
「「この馬鹿ヤロー共がぁーー!!!」」
鬼鮫の声など初めから耳に入っていなかったかのように大声を張り上げた二人。
「「「っ!!!;;」」」
「………………」
あぁ………今の声でアジトの壁に皹が入ってしまいましたね………(泣)
二人の声は気絶している三人を起こすには充分だった。
そして目覚めた三人を待っていたのは
汚れた床や廊下を綺麗に掃除し 、部屋を
汚した罰として3時間の正座をする事だった。
「「「俺達何にもしてないのに……」」」
三人の脳内には同じ言葉が浮かんでいた。
そしてその光景を見て笑みを浮かべている
ゼツの姿があったのである。
[終]
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