リクエスト小説
†水無月様へ捧げます†(デイサソ甘々)
「サソリの旦那〜!!」
「ん?何だよ?お前かよ……つーか人の部屋ノックもしないで入ってくんな……」
「オイラと旦那の仲だろ?うん…」
「………」
まただ……
またいつものようにお気に入りの三代目風影を弄ってる。
オイラが来たって笑いもしないし……
「なあ♪旦那♪」
「うるせぇなぁ……俺は今忙しいんだよ!」
「っ…………」
振り向きもせず言い放たれた言葉……
他の奴に言われるのならどうでもいいけど…
旦那に言われると………結構傷つく……
「分かったよ……うん……」
オイラは旦那の部屋からとぼとぼと出て来た
後ろで旦那が振り向いたような気がしたけど
今のオイラの顔を見られたくなかった。
「……旦那の馬鹿……」
やべぇ……今…すげぇ情けない顔してるかも……
そう思いながら自室に戻った。
「旦那……オイラよりやっぱりクグツの方がいいのかなぁ……」
旦那に一番大切にされてる三代目風影
旦那に一番愛されてる三代目風影
旦那と……
ずっと一緒にいられる三代目風影
「ムカつく……」
あんな人形如きにオイラの居場所を捕られた
オイラの旦那を………
「あっ……」
今……オイラ……
コンコンッ!
「っ!誰だ?うん?」
「俺だ……」
「サっ…サソリの旦那!?」
何で?!クグツのメンテナンス中じゃ…
「入っていいか?」
「えっ?!う…うん……いいよ……;;」
ガチャッ……
「……………」
「……………;;」
正直……今は会いたくない……
「デイダラ……あのさ……」
「何?何か用なのか?うん?」
「っ…………」
あっ……なんかさっきの事思い出したら苛々してキツく返しちまった……
「さっきの事で……」
「旦那……」
「えっ?……」
「旦那はさぁ……オイラと三代目風影どっちが大事?」
「なっ……」
答えられない事を分かっていての質問……
そうだよな……
旦那はオイラなんかより……三代目風影や…自分が作ったクグツ達の方が大事に決まってるよな……うん……
「…………」
「言えないの?うん?」
答えられないのを分かっていても何も答えてくれない旦那に腹が立って来た。
「……いや……ちがっ……」
「違うって……何が?」
どうしよ……苛々して…すごくムカムカして旦那にすごく酷い事言ってる……
「どうせ旦那は……オイラがいなくたって
三代目さえ傍にいればそれでいいんだろ!!あの三代目風影が大切なんだろ!?って事はオイラが一緒にいない方がいいんだろ!!」
オイラは旦那にそう怒鳴って部屋から出ようとした。
「違う!!俺が!俺が大切に想ってるのは
デイダラだけだ!!」
「っ!!!」
旦那がオイラの背中から抱き着いて来た。
旦那が……泣いてる……
何で泣くんだよ……
「ひっく……っ……ゴメン………」
「っ………」
旦那は謝りながら後ろからさっきよりも強く抱きしめて来る。
「俺…デイダラに……っ……酷い事した…」
「………」
「でも……好きだから……ひっく……素直になれなくて……冷たく当たって……っ……」
「旦那?」
今、旦那………オイラの事好きって……
「本当は……デイダラが来てくれて……嬉しくて……すごく嬉しくて……っ……なのに…ゴメン……」
「なあ…だん……」
「だから!……だから………どこにも…行かないで……ずっと一緒に……俺の傍にいて……お願い……デイダ……っ!!」
「…………」
オイラは旦那が話してる途中だったけど、旦那がすごく愛おしくて強く抱きしめた。
「旦那……ゴメン……オイラ…旦那にすごく酷い事言って……ヤキモキ妬いて……三代目に嫉妬して………旦那の気持ち分かってあげられなかった……」
「デイダラ……」
「馬鹿はオイラだよ………本当にゴメンね…旦那………」
オイラ……誰よりも一番近くで旦那を見て来たのに……世界で一番大切な人なのに……
何にも分かってなかった………
「旦那……大好き…愛してるよ…うん……」
「俺も……愛してる……デイダラ……」
オイラ達は互いに抱きしめ合ったまま口付けを交わした。
[終]
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