小説
初めて出会った日（サソリとデイダラ編）
「旦那〜‥オイラと旦那ってどうやって会ったけ？」
「なんだ忘れたのか？リーダーの命令で俺とイタチと鬼鮫がわざわざ岩隠れまで行って、お前を暁に入れたんだよ……」
「あっ！うんうん！！そうだったよ！！」
「あの時お前イタチに負けたんだったよな♪」
「オイラ……あの敗北は根に持ってるよ……うん……」
「そういえばあの時のお前は可愛いかったな！なんでこんなに生意気に育っちまったんだ？」
「何だよそれ！！！」
「あーあ……俺…どこで育て方間違ったんだろ……」
「なに母親気分になってんだよ！！うん！」
「ああ！？お前が暁に入ってここまで育ててやったのは俺だぞ！！！！」
「オイラにはそんな記憶ねーもん！うん！」
「テメェ！！俺の苦労も知らずに！！！」
いつものように些細な事で口喧嘩を始めてしまった二人。
「またあなた達は喧嘩をしているんですか？いい加減仲良くしてください……；；」
「ナンセンスだ……………」
イタチと鬼鮫がやって来た。
「あっ！お前らいいところに来た！！」
「「えっ？？」」
「このクソダラに教えてやってくれよ！！！コイツとペアを組んだ時の俺の苦労を！！」
「そんな事で喧嘩していたんですか？；；」
「まあいいでしょう……教えてやれ鬼鮫…」
「結局、私が説明するんですね…………」
そう言うと鬼鮫はサソリとデイダラが初めてペアを組んだ時の話しを語りだした。
「なんで俺がこんな餓鬼と組まなきゃいけないんだ………」
「オイラ餓鬼じゃねぇ！！デイダラって言うめちゃくちゃカッコイイ名前だ！！うん！」
「あー…はいはい……ウンダラ君ね……」
「デイダラだーー！！！！！」
「ああ！！わかった！わかった！！大声出すな！！クグツの中響くんだよ！！！」
「え…じゃあそれは本当の姿じゃないの？」
「阿呆か！！どこの世界にこんな素晴らしい造形をしている人間がいる！！！」
「いや……それもう人間に見えないから…」
「やっぱり餓鬼にはこの芸術のよさがわからねぇんだな……」
「………………（誰もわからないと思うぞ！うん！）」
「まあいい………行くぞ…………」
「どこに？？」
「面倒だが…俺がアジト内を案内しなきゃいけないんだよ………」
そう言いサソリはアジト内を説明していった
「広いんだな！！うん！」
「ああ……迷子にはなるなよ………」
「オイラ方向感覚は抜群だぞ！！うん！」
「それは頼もしいね……」
いつの間にか二人の間に少しずつ友情が生まれていた。
その日の夜………………
「御飯できましたよ！！」
鬼鮫の呼び声により暁全員がリビングにやって来た。
「あれ？サソリの旦那は？？」
「もうすぐ来ますよ♪」
「あー…腹へったぜ…………」
「っ！！？だっ誰だ！？うん！！」
「ああ？何言ってやがる……俺だ…………」
「さ…サソリの旦那？？」
「他に誰に見える………」
「嘘だろ？だって旦那はもっと不細工で声も全然違うじゃん！！うん！」
「不細工ってなんだ！！！だいたい初めに言っただろ！！あれはクグツだって！！！」
「あっ！！思い出した！！！！」
「けっ！！もの忘れの激しい奴だ！！！」
「なんだと！！」
「いいから席に着け！！」
ペインの一声で喧嘩はおさまった。
「っ！！！（げっ！！や…野菜がいっぱいだ……うん…………）」
デイダラは野菜が大嫌いだった。
「あれ？食わねぇのか？」
「えっ…そんな事ないぞ！！うん！」
パクッ…………
「っ……………；；（苦い………）」
「おい……苦手なら無理して食べんな………嫌いなモンこっちに入れろ……」
「旦那……………（感涙）」
「「（なんか……サソリが優しい……）」」
全員がそんな事を考えていると…………
ガチャン！
「あっ！！！」
デイダラがお茶をこぼしてしまった。
「何やってんだよ！！」
「ごめんよ……旦那…………」
「鬼鮫！ふきん貸せ！！！」
「はっ‥はい！！」
「ったく！！テメェはドジだなぁ……」
そう言いながらもデイダラの服を拭いたり、机を拭いたりしているサソリ。
「「…………………………；；」」
この時、暁でまた新たな発見があった。
それは………………
サソリは子供にあまいと言う事だ。
夕食も食べて夜中になり暁の一同はおやすみタイムとなる。
「旦那…………」
「なんだ？まだ起きてたのか？」
「今日さぁ……一緒に寝てもいい？？」
「はあ？なんでだよ！？」
「だって……部屋暗いしさぁ…………」
「………………………」
「駄目？」
「しゃーねぇな！今日だけだぜ！」
「やったー！！」
許可してもらったデイダラはサソリに擦り付くようにして眠った。
そして…次の日の朝……………
「っ……あ…あれ？なんだ…これ…………」
変な感触がして目を覚ましたサソリ。
「これはデイダラで………なんだ？……この濡れたような感覚…………」
「ま……まさかな……………；；」
サソリはものすごく嫌な予感がしたので布団をいっきにめくりあげた。
そこには…………………
「なっ…………………；；」
案の定………見事に広がったしみ……
デイダラがオネショをしたのだった。
「デイダラーーー！！！！！！！」
サソリの叫び声により暁の全員が目を覚ました。
「思い出しただけでも吐き気がする……」
「確かに…………」
「愚かな……………」
「……………………；；」
「つーかよ…人の布団の中で寝小便たらす奴普通いるか！！？」
「そんな昔の事‥今責められても………；；だいたい！さっきから聞いてりゃ全部オイラのヘマした話しばっかじゃん！！うん！」
「それだけお前がロクな事してないって事だよ……」
「……………………」
「まあ……俺は後悔はしてないけどな！」
「うん？」
「今となってはどれもいい思い出だ！！」
「旦那ー♪」
「まっ！これからもよろしく頼むぜ！！」
「うん！！！！」
［終］
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