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CHILD GARDEN
the last summer 1

 久々に三人がそろった夏の日。
 幸せで楽しかった真夏の海。
 一緒にいられると思えた、最後の、夏。



Because it was the last summer was happy with three people



 三人でどこかに出かけよう、と言い出したのは将高だった。将高だけが中学校が違ったし、余計に圭司にも会いたかったんだと思う。
 私は六月から塾に通い始めた。学校の子たちが少ない、少し遠い塾だった。
 そこには将高がいて、小学生のころに仲の良かった佐枝子もいて、すこし懐かしい、優しい気持ちになった。
 行き先は海にした。自転車三台並べて、私たちは汗をかきながら走った。遠く、遠く。
 伸ばしかけの髪はプールの塩素で茶色っぽくなっている。

「そういや甲斐、勝ったのか?」
「え?」
「大会あるって言ってた」

 砂浜に自転車のまま乗り込んで、開口一番将高がそう尋ねた。私は首を振って答える。それを不満に思ったのかどうかわかんないけど、圭司がすっと口を挟んだ。

「上の大会には行けたじゃん」
「マジで!? すげえ!」

 驚いた顔を見せる将高に満足したように圭司は唇で笑む。私は少し唇を突き出すようにして圭司を睨んだ。

「言わないでって言ったじゃん…」
「え、なんで」

 そう訴えた私に心底不思議そうに将高が尋ねる。私は取り繕うように微笑んだ。応えるつもりはなかったのに、圭司がすんなりと口を開いていた。

「決勝でスタート失敗したんだよ」
「圭司!」
「決勝行っといて文句言うなよなー。いばってろっての」

 呆れたようにそう口にして、圭司は将高になあ、と呼びかけた。将高は苦笑してからこっちを向いて声をかける。

「でも俺、甲斐のそういうプライド高いとこ好きだな」




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