present for you 桜の隙間 3 亜也子は、プラカップになみなみと注がれたビールを、気持ちのいい飲みっぷりであけていく。合間に煙草を吸いながら。 「さて、ハルは出番何番目にする?」 「あー俺早めがいいです。飲んだら弾けないから」 「高田さんにそう言っとく」 じゃな、と、倉見も煙草に火を点けながら去っていく。はい、と春臣は返事をする。 PAのセッティングはまだこれからだ。春臣は、既に飲み始めて騒ぐ一団とは離れた場所で、あぐらをかいて座った。 ギターケースからギターを出し、チューニングを始める。 手遊びにぱらぱらと弾いていると、ざわりと風で桜が鳴った。ひらひら、はらはら、花弁が散ってくる。 亜也子が、静かにそれを見上げていた。少し、微笑んで。 春臣は、好きだ、と思う。 ああ、好きだなぁ、と。 そして、つられて見上げた。 桜の花弁の隙間から見えた空は、優しい青と、眩しい白。 視線を亜也子に戻すと、彼女は柔らかに笑って、ハル、おいでよ、と言った。 20090414 1000hitのHALちゃんへ! ほのぼの…してるかしら…。 遅くなってごめんなさい。 綺麗な写真を、どうもありがとう! [*前へ] [戻る] |