泰権連載
1
フワフワと、身体が浮いているような感覚が全身を包んでいた。
瞼の裏でチカチカと光が瞬き、眩しさも感じていた。
その中で、誰かの泣き声が聞こえた気がして、瞼の裏の暗闇の中で辺りを探す。
何故か見つけねばいけない気がした。

ふと、意識が浮上する。
その感覚はまるで、水底から這い上がる感覚に似ていた。















「・・・・・・・・・?」
目を開けると、ぼんやりと天井が視界に入る。
寝起きの感覚に近いが、妙な違和感を感じ、混乱する。
いまいち自分の状況が判らず、身体を起こそうとするが力が入らない。
仕方がないので、首だけを動かし辺りを見やる。
「孫権・・・・・・様・・・」
寝台のすぐ傍の椅子に孫権の姿を見つけた。
呆っと孫権の姿を見ていると、沸々と記憶が戻ってきた。

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あきゅろす。
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