泰権連載
13
「孫権様は・・・」
周平に孫権様の事を説明しようとするが、巧く言葉が出てこない。
口下手な自分では説明など無理だと思ったが、周平は静かに言葉を待っていた。
その態度から、周平が他ならぬ自分の言葉を待っているのだと気づく。
周平は心配しているのだろう。
気づいている。
いや、知っているのだ。
孫権が周泰を気にいってはいない事を。
そのうえで周泰が、兄が孫権の為に命を捨てれるのかが心配だった。
「・・・・・・・・・」
周泰にとって孫権は慕うに足る人間であった。
無口な自分に対して警戒をしている。
それは悲しい事だが、人を疑う事を知らなければ付け入られる。
時々、部下達を気にかけて声を掛ける姿を見かけた。
優しい方だ。
優しい、がそれだけではこの乱世を生きては行けない。
自然と、護らなければいけないと感じていた。

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