泰権連載
10
「奴は不平不満を漏らさない。奴は野心の上に笑みの皮膚を貼り付けた男だ。なにより・・・奴は権の為に死ぬ気は無い」
孫策にとって潘紘という男は不快そのものだった。
笑みの下に野心を抱き、言葉の裏に不快さを秘めた男だった。
「俺に・・・・・・何を?」
信頼・・・されているのだろう。
その上で、主が自分に何を求めているかを訪ねた。
「護衛だ・・・潘紘がもし俺の評価通りの男なら、俺か権の暗殺を企てる。だから・・・・・・いざという時は権の代わりに死んでくれ」
歯に物を着せぬ男だと思った。
「・・・御意」
蒋欽が選んだ男を、疑う気は無かった。

翌日、潘紘を解任し孫権に紹介された。
兄の言葉だからだろう。
孫権は表向きには反対はしなかった。
それでも、重鎮達と同様に心では良く思っていないのは感じていた。

[前][次]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!