泰権連載
9
「簡単だ。俺は潘紘を信用していない。彼奴が、護衛になったときからずっと」
「なら・・・・・・」
尚更ではないか。
自分は元江賊で、感情を表には出さない無愛想な男だ。
自分を護衛に推薦する理由が解らなかった。
「それこそ簡単だろ?お前を信用したからだよ」
一緒に居た蒋欽や周平さえ驚愕の表情を浮かべていた。
多分、周泰自身も同じような表情をしていたのだろう、孫策は苦笑いを浮かべ口を開いた。
「解りにくいか?ハハ、また周瑜に文句言われるな・・・・・・・・・お前と刃を交えて、何となくな」
「・・・・・・・・・」
孫策の笑みは、風が吹き抜ける草原のようだった。
周泰は何も言えず、黙って孫策の次の言葉を待った。
「潘紘は野心を持った男だ。いつか権やこの国も滅ぼす」
「何故そう思われるのですか?」
周平が静かに問う。
孫策の言葉に迷いが無かった事を疑問に感じた為だろう。

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