泰権連載
8


「・・・・・・・・・孫権様」
朝、軽く肩に触れ目を覚まさせる。
起き上がった躯からは不機嫌さが滲み出していた。
その態度は何度か見慣れていた。
いままで己が無表情なのに特に不憫さは感じていなかった。
その不憫さを、今切々と感じていた。

『権の・・・・・・弟の護衛になってほしい』
不意に孫策の・・・主の声が木霊した。












「・・・・・・何故、でしょう」
自分に護衛が務まるとは思わない。
今、孫権の護衛をしている男は潘紘と言った。
顔を見たことがあったが、自分とは違い表情豊かな男だった。

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あきゅろす。
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