泰権連載
7
決着、というよりは終了。
日が暮れかけ蒋欽達が帰って来た事で、勝負は終わりを迎えた。
刃を交える二人を見て、蒋欽と周平は驚いた。
周泰が孫策に刃を向けていた事にまず驚き、周泰と互角に戦う孫策にまた驚いた。
思わず止めに入り、手合わせだと知るが動悸は納まりを見せない。
安堵の後には怒りがこみ上げてきた。

「大体な、見たのが俺と周平だから良かったものの!周瑜殿や黄蓋殿に見られてたらどうする気だったんだ!!」
ましてや、自分達を信用していない文官に見られでもしたらと、蒋欽は珍しく声を荒げた。
自分達は江賊なのだ、たとえ『元』だとしても。
「・・・・・・すまん」
「悪ぃな蒋欽・・・つい、な」
申し訳無さそうに謝罪をした周泰とは対照的に、孫策は上機嫌だった。
「でも、まぁ・・・安心したぜ」
ニヤリと人の悪い笑みを浮かべていた孫策は、急に真面目腐った顔で周泰に向き合った。
「周泰・・・・・・頼みたい事がある」
「・・・・・・・・・?」
一国の主が何を、と思いもしたが、周泰は静かに主の言葉を待った。



「権の・・・・・・弟の護衛になってほしい」

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