泰権連載
6
「変わった刀だな」
孫策は周泰が腰に差している刀を興味深めに見ていた。
江賊時代、周泰が愛用していたその刀は刀身が片側にしか付いておらず、刃自体が緩やかな弧を描いていた。
「見せてくれるか?」
「は・・・」
差し出された手に刀を渡す。
振るうのは暫くぶりだが手入れを怠る事の無かった刀身は、河の光を反射させ煌めいていた。
「重ぇな・・・」
周泰は軽く振るうが見た目に比べ重く、孫策は少し驚いた。
主は刀を周泰に手渡し、何か思案する表情を見せた。
「周泰!一丁勝負しねぇか?」
「?」
一瞬、理解が出来ずにいた。
脳が理解する頃には主は沈黙を了承と受け止めていて、周泰に拒否する権利は無くなっていた。
孫策は、武器を手に楽しげに笑っていた。

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あきゅろす。
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