泰権連載
3
夕刻、孫策と共に帰路に着く。
出迎えたのは周瑜と黄蓋で、孫策は二人に酷く怒られていた。
どうやら孫策は誰にも何も告げずに出かけていたようで、再度、若き君主に対し疑問を持ってしまった。
「悪ぃ悪ぃ、次は誰か連れてくからよ」
孫策は軽く二人に謝り、馬を引き周泰へ歩み寄ってきた。
「周泰、馬小屋まで一緒に行こうぜ」
一国の君主がと、再々度思うが、それでも口には出さず素直に従った。

「なあ周泰、あそこに居たのは周瑜達には内緒にしててくれよ」
「・・・・・・御意」
疑問に思うが意を唱える気は無い。
孫策と周泰の関係は主従関係にあり、江賊の出とはいえ周泰はそれを疎かにする気は毛頭なかった。
「頼むな!」
孫策は馬を小屋へと戻し、笑みを浮かべて屋敷へと戻っていった。

「・・・・・・変わった方だ」
それは率直な感想だった。
軍に入って間もない己に警戒せず、度胸が在るのか自分に自信があるのか・・・。
ひとまず、孫策が愚か者で無いことを祈るばかりだった。

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あきゅろす。
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