泰権連載
1
そこは河の涼しげな風と土の暖かな匂いがする場所だった。











「周泰!こんな処で何してる?」
「・・・・・・孫策様」
こんな処、そう言われて自分が居る場所を改めて見返す。
江河を見渡せる高台に周泰は居た。

確かに『こんな処』と言えば変な場所ではあろうが、周泰は中々気にいっている場所で、思わず何も言えず黙り込んでいた。
そもそも、『こんな場所』に一国の主になる男こそ居て良いのだろうか?と、そんな事を思ってしまった。
「気に入ったのか?この場所が」
孫策は周泰の隣に立ち、そう問いかけた。
「・・・・・・は、」
周泰は答えに戸惑ってしまった。
景色は充分に気に入ってはいるのだが、孫策に対してどんな言葉使いをすれば良いかが判らなかったからだ。

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あきゅろす。
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