泰権連載
9
孫権は気分が高揚するのを感じずにはいられなかった。
孫策が出立するのは10日後。
いつもは来てほしくない兄の出立日も、今は待ち遠しいばかりだった。







その日の正午、孫権は供を連れて町へ出かけた。
周泰が孫策や蒋欽と一緒に船の整備をしていた為、護衛は別の人物が付いてきていた。
久しぶりの町の雰囲気に、孫権は内心はしゃいでいた。
ふと、視界の端に見知った顔を見つけた気がして立ち止まった。
「潘紘・・・?」
その名前を口にするのは随分と久しぶりである。
「・・・・・・孫権・・・様?」
潘紘と呼ばれた男は、孫権の顔を見つめ驚愕の表情を浮かべていた。
「潘紘!久しぶりだな・・・元気にしていたのか?」

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あきゅろす。
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