泰権連載
7
孫権は不安を感じ、孫策を見やる。
「大丈夫だ。蒋欽達とか他の新兵に色々と経験させる為に連れていくだけだ」

新兵に経験を積ませ、尚生きて帰って来るには自分以外を一人でも生かせる将が一人でも多い方が良い。
そして蒋欽達には軍としての指揮に慣れてもらう必要があった。
蒋欽達を軍に加え一年以上が経ったが、未だに戦いの場には連れていってはいなかった。
今回の戦は、蒋欽達に経験を積ませるには絶好の機会であった。
孫策は孫権の不安を拭う為にか孫権の頭を撫でてきた。
幼い頃より知っていた筈の兄の手の感触に、孫権は笑みで答えた。
「蒋欽殿を連れて行くという事は周泰殿もご一緒に?」
これは多少の希望だったのかもしれないが、孫策は軽く首を横に振った。
「・・・アイツにはお前と一緒にこの城を守ってもらうさ」
「私と・・・?」
孫権は首を傾げた。
自分の護衛としてでは無いと知り、少しの安心と疑問を感じた。
「そうだ、お前がこの宣城を守るんだ」

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あきゅろす。
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