泰権連載
1
孫権は基本的に内向的である。
外交的な兄と違い、自分から話をしたりするのは苦手だし、話かけられるのも苦手である。

だからといって、その逆も苦手なのだと最近になって気づいてしまった。








「・・・おはよう御座います」
「ん、おはよう」
朝の起き抜けにかけられた言葉に、孫権は軽く答える。
声をかけてきた男はそれきり言葉を発しなかった。
その沈黙が孫権はあまり好きではなかった。
男は、孫策が連れてきた江賊の一人だった。
周泰、字は幼平というらしいが、背が高く、低く重い声で喋る為か威圧感があった。
船着き場で蒋欽に紹介され、孫権の護衛にと孫策が決めたのだ。

[次]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!