泰権連載
4
船着き場に着くと、先ほど見た船から何人か人が降りてくるのが見えた。

「遅かったな」
孫策が声をかけると、降りてきた一人が顔をこちらに向け苦笑いを見せた。
「申し訳ない」
口髭を蓄えた体格の良い男だった。
「良いさ」
孫策は此方を振り返り手招いた。
「権、蒋欽だ」
背中を押され蒋欽の前へと立たされた。
「こちらは?」
「権っつう俺の弟だ」
「成る程・・・蒋欽と申します」
蒋欽は孫権へ恭しく挨拶をした。
孫策に仕える事になった蒋欽にとって、主である孫策の弟ならば礼儀を欠いてはならない。
孫権は軽く会釈を返した。
だが、兄と違い人見知りが激しく内気な孫権には少し居心地が悪い。

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あきゅろす。
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