泰権連載
3
部屋へ入ると、孫策はすでにくつろいでいた。
「兄上」
茶と菓子を孫策に掲げて見せ、窓辺にある卓に乗せた。
「おう、あんがとな」
孫策は椅子に腰掛け向かいの席を孫権に進めた。
孫権は椅子へと腰を降ろし、孫策が出掛けている間の街の変化や自分の学んだ事を話した。


孫策は暫くの間、孫権の言葉に耳を傾けていたが不意に外に視線をやった。
つられ、孫権もそちらに視線をやれば大きな船が船着き場へと入ってくるのが見えた。
その船は見覚えがない船で、孫権は問うように兄へと視線を向けた。
「・・・着いたみたいだな」
口の端を上げ、孫策は笑みを作りながら立ち上がった。
「権、ついてこい」
孫策の笑みに、兄の機嫌が良い理由があの船なのだと感じ、孫権は何も聞かずに孫策の後へとついていった。

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