泰権連載
2

居た。

見知った顔と見知った船を見つけ、孫権は足を早めた。

「兄上!」

兄の大きな背中に向かって声をかけた。

「おぉ!今帰ったぜ」

兄は笑みを浮かべながら振り返った。
「権、また一段と背が伸びたな」
孫権の頭に手を置き、孫策は上機嫌だった。
何故だろう、と思い兄に尋ねれば、後でなと軽く返された。
不思議に思ったが、兄の事だ、また自分を驚かす何かがあるのだろうと気にしない事にし、笑みを浮かべた。
「兄上、部屋へ何か持っていきます」
話したい事が山ほどある。
孫権は軽い食事を用意させ、それを手に孫策の部屋へと向かった。

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