泰権連載
1





色が消えた。


そうとしか言いようが無かった。

墓を掘り、仲間を埋め、後はする事がない。

妻と子と共に土に還りたいとも思ったが、啜り泣く仲間の声を聞き踏みとどまった。

焼け残った中から使える物をかき集め、まず山賊を討った。


賊の頭の首を跳ねたが、悲しみが癒える筈も無く、只日々を過ごすばかり。
あれから一月。
蒋欽はずっと考えていた。
誰かに仕える事が必要かもしれないと。

「・・・嘆いてもいられねぇしな」
呟いた言葉は、自分自身に言い聞かせる為のものだった。

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