泰権連載
4
抜いた刀身は弧を描き、普段見慣れた剣とは違い刃は片刃、ずっしりと感じる重みは何処か手に馴染んだ。

数度鞘から抜き振るう。
「・・・気に入った」
周泰のその言葉に、蒋欽は笑う。
「金持ち野郎の荷だが、まあ飾られ朽ちるよりは良いだろう」
弧刀は元々飾られる事が殆どだ。
その長さのせいで、並の人間には抜く事すら困難な代物だ。
しかしながら、その刀身の美しさから金持ちの人間は良く手に入れていると聞く。




元々の才能か、相性が良かったのか、周泰はそれから数ヶ月程で弧刀を見事に扱うまでになっていた。

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あきゅろす。
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