泰権連載
3
数日前までの自分を追い込むような孫権を思い出すと、随分と落ち着かれたと一安心した。
「そう・・・か?」
本人に自覚は無いようだが、周平は笑みを深めた。

「主力は残されていますし、こちらはまず安心でしょうが・・・孫策様の部隊は新兵が多いですから心配されるのも頷けます」
そう言葉では心配しているものの、主君を信頼する事で周平の心は不思議な程落ち着いていた。

推測ではあったが、孫策の真の目的が討伐では無いのだろうと周平は考えていた。
兄の、周泰の身体がどこまで戻っているのか調べるのだろう・・・勿論、名目上は新兵の訓練だろうが・・・。
周平がそう心の中で結論付けていると、孫権は少し照れたように告白して来た。
「・・・そういう心配はしてなかったな」
照れ隠しなのか苦笑いする孫権に、周平は堪えきれず噴き出した。


(本当に、お元気になられた)

それが今は何よりだと思えた。

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