泰権連載
2
周平に周泰と話し合うと約束したものの、五日ほど孫権は行動に移ることが出来なかった。

勿論、孫権が躊躇していたせいでもあるが三日前、孫策が周泰や蒋欽を連れ遠征に出かけたのが一番の原因だった。
しかも、孫権が周泰を部屋に呼ぼうとした矢先の出来事で、孫権としては出鼻を挫かれた気分だ。

「うぅ・・・・・・」
兄にいつものようにいつ帰るのか問うてみたものの、返答は曖昧でいつ帰ってくるのかさえ判らない。
「孫権様、お茶でも如何です?」
唸っていると周平が息抜きにと熱い茶を煎れてくれた。
その茶を一気に飲み干し、少し気分を落ち着かせた。

「・・・兄上はいつ帰ってくるのだろう」
「そうですね・・・遠征ですから、すぐには帰って来ないでしょうね」
一つ溜め息を吐くと周平が微かに笑みを浮かべた。
「どうしたんだ周平?」
「いえ、お元気になられたようで何よりです」

[前][次]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!