泰権連載
3
だが、蒋欽にはどうしようもない。
今はただ、新しい仲間を守る事だけを考えよう。
口に含む酒が、やけに美味く感じた。
それからの月日、蒋欽は周泰と周平に色々な事を教えて行った。
剣の扱い。
傷の手当ての仕方。
生活に必要な知識。
二人は苦もなくそれらを覚えていった。
しかし、問題もあった。
周泰にとって、皆が使っている剣は少し脆いらしく、彼にあう剣が無い事だった。
蒋欽はどうしたものかと悩んだが、不意にある事を思い出した。
「周泰、これなら使えるか?」
そう言って蒋欽が差し出したのは弧刀。
刀身が長く振るえる者はそうは居ない。
しかし、丈夫で折れにくい。
「なんでも東洋の剣だという噂だ」
「・・・・・・」
周泰は軽く手に持ち刀を鞘から抜いた。
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