泰権連載
2
孫権は何かを紛らわすように、もしくは何かの理由で自分を責めるかのように稽古に打ち込んでいた。
孫策にはそれが見てとれた。
「何があった?」
「・・・何も」
それ以上、孫権は何も話そうとはしてくれず、孫策は困り果ててしまった。
いつもなら、兄である自分に何でも相談して来たのにという想いもあるが、何より孫権の性格上一人で何か抱え込んでいるのではと心配だった。


「どうしたんだい孫策?」
「・・・周瑜」
自室で悩み耽っていると、親友である周瑜が声をかけてきた。
昔からの仲で孫策は大概の事は周瑜に話している。
それと同じように孫権も周瑜を兄のように慕い、孫策に相談出来ない悩みも相談することがある為、孫策は何か聞いてないかと問いかけた。
「いや、何も聞いてはいないな・・・君にも何も言っていないのかい?」

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あきゅろす。
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