泰権連載
4
食事を終え、周泰は椅子から立ち上がり蒋欽に訓練を頼んだ。
少し時間を空け、太陽がすっかりと上がった頃に久しぶりに全力で躰を動かした。
「・・・・・・・・・」
半刻程の短い間だったが、周泰は色々と収穫を得ていた。
(・・・やはり駄目か)
「・・・どうした?」
蒋欽が周泰の異変に気づき声をかけてきた。
「いや・・・」
その問いに周泰は曖昧な返事を返す。
蒋欽は周泰に駆け寄った。
「まだどこかが痛むのか?」
「問題無い・・・」
周泰はそれだけ伝えると、汗を流してくるとその場を離れた。



近くの川までやってきた周泰は、頭巾を外し顔を洗った。
念入りに、何度も水をかけ、盛大に頭から被りもした。
ゆっくりと目を開ける。
水面には、歪んだ己の姿が映し出されていた。
「周泰!」
名を呼ばれ振り向けば、後を付いてきていた蒋欽が布をこちらに放るのが見え、無意識に手を伸ばした。

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