09
い、痛くなぁああああい!本日も甲板で太陽の下特訓中。もろイエローの右ストレートをくらったけど痛くない。
さすがロギア!
「へへーん、何だか一気にレベルUPしたみたーい」
「ずりっ、first nameずりー!」
「フッフッフッ、悔しかったら当ててみn」
カチーンとキレたイエローに気絶させられたのは言うまでもない。
「…………何故!?」
目が覚めた私の第一声。
え、だってロギアだよ?しかも風だよ?パンチもキックも銃弾も斬撃もスカッでしょ?スカッでしょ?
「何で何で何でぇえええ!?」
「ばか、お前調子乗りすぎ」
隣でプカーと煙草の煙を吐いてるレッド。どこ見てるんだろーと額に乗ったタオルを押さえながら体を起こせばマルコとイエローが戦っていた。
マルコの動きが凄いのは当たり前なんだけど、イエローの動きがいつも私を相手にしているのとは全然違った。
肌にビリビリ突き刺さる空気。うっすらと額に汗が浮き出てくる。
目が離せない光景にゾクゾクして思わず腕をかき抱く。
「大丈夫?first nameちゃん」
「うー、ゾックゾクする」
「アハハッ、隊長もイエローも覇気出してるからねぇ」
「ハキ?」
隣でケラケラ笑うグリーンが差し出してくれた水を口に含む。
「武装色の覇気」
「ぶそーしょく?」
レッドの言葉に首を傾げる。ハキって覇気だよね?ぶそーしょくって何だっけ?
「まぁ、簡単に言えば武装色の覇気を使えるようになると、お前みたいなロギア系の能力者にも攻撃が効くというわけだ」
あぁ、あぁ、あぁ、あれだ。女ヶ島の人の矢に覇気纏ってたり、ルフィのじぃちゃんがルフィ殴ったり、のあれでしょ。
「へー、イエローも武装色の覇気の使い手だったんだ」
「そゆこと。だから、まだまだお前は弱いんだぜ」
弱い、うん。私は弱い。そうだ、悪魔の実の能力者になったからって、この白ひげの船に乗っている以上そんなのただのオプションにしか過ぎない。
私、調子乗ってた。
まだ私は弱い。強くならなきゃ。私はもう人を殺したぐらいで泣くような女じゃ駄目なんだ。
悔しい。
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