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白ひげの前では私はちっぽけな人間。俯いたまま沢山の視線を浴びている。私の顔を隠していたバンダナは今では手汗を吸い取るただのハンカチ。



「first name」


「はい、船長」



相変わらず大きい盃を片手に酒を流し込んでいる白ひげ。しかし、いつものグラララという独特の笑いは聞こえない。


その場には私と白ひげ以外に各隊長と親友三人がいた。



「俺ぁ、怒ってるんじゃねぇ。そう縮こまるな。ただ心配してるんだ」


「はい」


「悪魔の実、それがどういう物かは知ってるようだなぁ」


「はい、海に嫌われ泳げなくなる代償として何らかの能力を得ることができる」


「グララララ、よく知ってんじゃねぇか」



白ひげが笑った。ちょっとホッとして私は顔を挙げる。



「今のところ体に異変もないので、まだ何の能力かは分かりません。それに私は元々泳げないので特に問題はないかと……。だから隊長達が勢揃いしなくても……」



隊長たち勢揃いは確かにおいしい状態なんだけど、この世界に来たばかりの時と違い力が付いたことによって隊長たちの凄さがビリビリ肌で感じるのだ。



「グララララ、久々の能力者誕生に興味を持ったんだろーよ。さぁ、お前ぇら今夜は宴だぁあああ!!」



いやいやいやいや、こんなことで宴なんかしなくても。ちょっとサッチ嬉々としてキッチンに向かうなよい!



「おう、first name。能力が分かったら教えろよ」


「イゾウ隊長……」


「晴れて女だってバレたみたいだしな」



ニヤリの笑ったイゾウさんの顔は悔しいけど鼻血もんです。他の隊長たちにも声を掛けられ、しかも皆力いっぱい頭を撫でて行くもんだから最後の方は、グラグラした。



「グララララ、あいつら妹ができて嬉しんだろーよ」



ぐちゃぐちゃになった髪を撫で付けグラグラする頭を押さえていると白ひげが言った。


今この部屋に残るは私とマルコと、親友三人。


なんだか気まずい雰囲気に溜め息を吐いた。



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あきゅろす。
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