[携帯モード] [URL送信]
07



ななちゃん、生きてるかな。不意に思い出した彼女の顔。


どこの船にいるんだろう。確か、ななちゃんの好きキャラはエースとシャンクスとサンジとルーキーのローに……浮気症だったからなー、私と違って。しかも定番キャラ。そういう意味でなら私の方がヲタクだったと思う。


まぁ、ルフィのとことか、ルーキーのところに飛ばされてたら可哀想だな。敵襲のない白ひげに拾われた私は運が良かった、うん。


今日も特訓の疲れからか考えているうちに、あっと言う間に睡魔に引きずり込まれた。


そして白の世界。


うわ、久々だな。そー言えば私、神様にバイバイしたんじゃなかったっけ?


相変わらずの眩しさに顔を歪めながら先を見据える。



「first name、久しいな」


「……」


「君は強さを求めたか。あの子は愛を求めた」


「あの子?」



誰のことを言っているのか分かる。きっと、否絶体ななちゃんのことだ。



「その通り。彼女が君をこの世界に呼んだ」


「え、は?ちょっと待って。呼んだって何」


「彼女は迷い子に選ばれた。そして彼女が君のトリップを願ったんだ。そして私がそれを叶えた」



願った?つまり、つまり、私がこの世界にきたのは、ななちゃんのせい?あの子のせいで私は……。


見つめる両手は赤い。


私は、あの子せいで人殺しになったんだ。


あの子のせいで、あの子の……せい?おかげ?


今の生活は、どう考えたって向こう世界よりも充実しているし、それに……。


三人の親友、マルコ、サッチ、白ひげ達の顔が浮かぶ。



「あの子のおかげ……か」



眩しい光が柔らかくなった。



「ねぇ、ななちゃんに会える?」


「二人の運命が交わっているなら」


「なんだそれ、また運命かよ」



いい加減にしてくれ。それに……。



「私だって愛が欲しい」



小さく呟いた私の声を神は叶えてくれるのだろうか。



7/20ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!