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視界が反転して、ぎゅっと目を瞑った直後背中に感じたのは柔らかい感覚。それが逆に背筋をゾクッとさせた。



「痛い、マルコ隊長」


「お前分かってんのか?」


「……」


「戦闘員になったら今のと比べ物にならないくらい痛い思いをするかもしれないんだよい」



きつい口調から、いつもの柔らかい言葉使いに戻ったマルコの瞳は歪んでいた。それは、きっと私を心配している瞳。


心配してくれているのは正直嬉しい。だけど……。



「マルコ分かってる。マルコから言わせたら私の分かってるなんて全然分かってないのと一緒かもしれないけど……。私がこの船に乗せてもらっている以上、海の上にいる以上、」



この世界にいる以上。



「私は私自身を護る術を身につけないといけないと思う」


「俺たちがいるよい。お前がそんなことしなくても、俺たちがお前を……」


「マルコ」



マルコの言葉を遮る。護るなんて言わせない。



「マルコ隊長が私に戦うなというなら、私はこの船を下りる」



いくら、この船があの白ひげ海賊団だといっても、強者たちが集まっているからといっても、自分に身の危険がないわけがない。


それに、私はこの世界にきてすぐ、間近で命の灯火が消えるのを目の当たりにしたんだ。


海賊船にいるなら、どこかの島に下ろしてもらった方が私のためにも白ひげ海賊団のためにも良い。



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