06
「マルコさんマルコさん」
「……なんだよい」
「ひ、ま」
「俺は暇じゃねーよい」
マルコの部屋に居座りベッドを占領している私。
出航して三日ぐらいまでは良かった。船内の探険したり知らないものに見て触れて、それこそ一日中青い海を眺めているだけで楽しかった。
でも、人には順応性と共に飽きるという短所がある。
そう、飽きたんですよ。
マルコは今もだけど隊長だから日々忙しくしてるし。てか、海賊が事務処理って、書類って……地味。
サッチも出航したばかりだから食料のなんかとなんかしなきゃって……。(なんかが何なのか分からない)
トリオは下っぱだから、あっちこっち先輩方にパシられ遊ばれてるしー。
海賊がこんなに暇だとは思わなかった。
「しーごーとーくーれー」
「ほれ」
「ぶへっ!」
顔面直撃した書類の山、危うく低い鼻が更にぺったんこになるとこだった。
「で、どちらまでー」
重すぎる書類が重力に引き寄せられているかのように手がぶらんと垂れ下がっている。
「それとそれが3番隊と5番隊、そっから下が12番隊と16番隊、あと4番隊にさっさと報告書提出しろって伝えて来い」
「やっぱ考え直しt……」
「さっさと行ってこい」
「あいあいさー」
マルコに仕事をくれなんて言ってしまったことを心底後悔しつつ私はマルコの部屋を追い出された。
「おーもーいー」
唸り声と共に負のオーラ?(煙?魂?え、何これ?)を吐き出しながら重たい足取りで廊下を進む。
軟弱な女にこんな重量感半端ないもの持たせやがって、不死鳥じゃないじゃん、悪魔じゃん。
さー、初仕事!
てか、これ給料でんの?
←→
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!