[携帯モード] [URL送信]
04



ぎゅっ。


そんな生易しい効果音ではなかった気がするが、取り合えずそういうことにしておこうじゃないか。



「first nameちゃーん!」


「え、エリザさん。ぐるしいー」


「こんな男前になっちゃってー!」


「いや、女です」


「知ってるわよん。この服装似合うわー!でも長かった髪は、ちょーっと持ったいなかったわね」



まぁ、確かにあそこまで伸ばすのだいぶ掛かったからな。



「あら、後悔?」



長い襟足を摘まんで見つめていたら顔を除き込まれた。まじで心臓に悪い。



「いえ、そーゆー訳では……」



ぽりぽり頬を掻いたらまた、ぎゅって抱き締められた。



「ぐふっ」



む、胸が……。



「first nameちゃん!何かあったらいつでも来なさいっ。男ばかりじゃ色々溜まるからねっ!」


「はぁ……」


「香水、大事に使わせてもらうわ」


「はい」


「ありがとう」



にっこり微笑んだエリザさんは、まさに白衣の天使だった。


危うく鼻血出るとこだった。



「と、言うわけだよ。白ひげ」


「グラララララ、仲良くやってるじゃねーかっ」



それ、マルコにも言われた。


ただいま白ひげの膝の上に腰掛け大きな酒瓶で手酌してあげている。



「俺達と来るかぁ?迷い子」


「うん、他に私には選択肢がないもの」



それに、きっとこの世界には、ななちゃんもいるはずだから。



「お前は俺の家族だ」


「奥さんにしてよ」


「グラララララ。おめぇも、しつけぇ奴だ」



そう言いながらも満更でもない顔をしてた気がする。


白ひげの胸の上は安眠できる。


毎朝マルコに拳骨くらわせられても、これだけは譲れない。



4/20ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!